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四事の瓦版

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冥王星か

天声人語、格下げか。冥王星。

小さな惑星は、おかしいことだ。



「「降格」「格下げ」、そして「除外」。一般的には芳しいことには使われない見出しが、昨日の新聞各紙に並んだ。冥王星が惑星の仲間から外されることが、国際天文学連合の総会で決まった。

 これは、果たして「降格」なのだろうか。1930年に発見されたが、近年、天体観測は著しく進んだ。そして、冥王星は他の8惑星とは別にした方が分かりやすいという新しい定義が採択された。今後は「矮(わい)惑星」の部類に入る。観測が行き届いて、よりふさわしい区分けになったと考えれば、むしろ芳しいことだ。

 英語名のプルートは、ローマ神話の冥界の王にちなんでいる。星の文学者として知られた野尻抱影の著書『星座神話』に、こんな一節がある。「因(ちな)みに『冥王星』の訳名は……神話に基づき、著者が提案したもので……」。この訳名は、中国でも使われているという。

 今回の新定義で、冥王星を惑星としてきた世界中の教科書が書き換えられることになった。しかし、冥王星という長年なじんできた名前自体が消えてしまうわけもない。

 抱影はこうも記している。「海王星外の新遊星に、海王の兄弟である冥王プルートーの名が付けられたことは適切であり、太陽の光の有るか無きかの境に在る遊星の感じとしても動かぬ名です」

 惑星や遊星と呼ばれようが、矮惑星と呼ばれようが、星そのものに変わりはない。人間界の分類をよそに、太古の時からの固有の軌道を行く。はるかな闇のかなたから、そのかすかなつぶやきが聞こえるようだ。「それでも、私は回り続けている」 」
by 2nnn2 | 2006-08-26 18:31 | とんとん拍子

暇な時の言葉


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