騒動が大変だ。
商店の番頭が誰になるか、見たいものかもしれない。
「全国的な進学校とスポーツ強豪校として知られる桐蔭学園(横浜市)に逆風が吹いている。
学園運営に降りかかる度重なる難局に加え、カリスマ理事長が急死したことで、
求心力を失った学園には理事長のポストをめぐって内紛が勃発(ぼっぱつ)した。
巨人の高橋由伸外野手(32)、女医の西川史子女史(36)、俳優の織田裕二(40)らを輩出した名門校のお家騒動の中身とは。
昨年12月初旬、桐蔭学園で理事会が開催され、同校の元教員で法人事務局長を務める榊原滋氏が学園理事長に選任された。
学園関係者は、理事長選の裏で繰り広げられた暗闘をこう証言する。
「前理事長の後継者の人選は混迷を深めた。
学園運営を巡り、9月から数度にわたり開催された理事会は度々紛糾し、
理事長代理を務めていた前理事長の娘婿側Vs教員出身の榊原氏側-という対立の構図が表面化してきたのです」
桐蔭学園は1964年に「真のエリートの育成」を目指し創立された。
幼稚園から大学院までを擁し、90年代前半には東大合格者が100人を超え、
部活動でも野球部が甲子園出場春夏合わせて11回、
ラグビーやサッカーでも全国大会の常連となるなど、文武両道の名門私学の名をほしいままにしている。
内紛劇の発端は、学園の急成長を支えたカリスマ理事長の死だった。
「前理事長の鵜川昇氏=享年(87)=は学長と理事長両方のポストを兼任し、学園長と名乗るなど、
強烈なリーダーシップを持つカリスマでした。強い求心力ゆえに同等の後継者が見つからず、今回の内紛を招いたのです」(学園関係者)
幼稚園から大学院までそれぞれに理事を置く肥大化した学園の理事会のシステムも、混乱に拍車をかけた。
「2004年に六本木ヒルズ内に法科大学院を設立しましたが、
そこに深く関わったのが鵜川氏と古くから親交のあった法科大学院の客員教授をつとめる弁護士。彼は学園の理事も兼務し、
同じく法科大学院で教鞭をとるヤメ検弁護士とともに鵜川氏の娘婿を支持し、
榊原氏側と対立しました」(同)
その“火種”のひとつとなったのが横浜市が東急田園都市線あざみ野駅の近くに所有する3カ所(計約5ヘクタール)の土地だった。
3つの事業者による入札で、落札したのは同地に小中一貫校の開校を目指す慶應義塾。
「あざみ野は桐蔭学園のお膝元。同じ中高一貫をウリにする桐蔭にとってはかなりの痛手だった」(地元関係者)という。
「学園のスポーツ施設を建設する予定で入札に参加しました。横浜市としては学校予定地として売り出したようで、その点で行き違いがあった」
こう説明するのは、同校の高校部長兼桐蔭学園大学事務局長の野坂康夫氏(65)。
榊原氏とは教員の先輩後輩で、「榊原氏の事実上の側近」(関係者)とされる人物だ。
「すでに別の土地に小中学校の校舎を新設しており、新たに学校施設を建設する力はなかった。
うちは用地買収額とは別に建物建設資金として約10-15億円を用意していたが、
慶應はその倍以上の額を準備していたようだ」(野坂氏)
関係者によると、理事会ではこの入札の資金を巡って、入札を主導した榊原氏側と娘婿側との間で激しい応酬があったという。
「桐蔭は来年、スポーツ健康政策学部という新学部を新設しますが、その資金についても理事会は紛糾したようです」(関係者)。
「体調を崩して自宅で療養中」(野坂氏)という娘婿は夕刊フジの取材に対し、
自宅前で「ノーコメント。何も話すことはありません」と話した。
さらに、娘婿側とされる2人の弁護士も口を閉ざしているが、「今後ひと波乱ある」という声が早くも上がっている。」
名前も、経営も、すべては、今後は、経営者の能力だろう。
会社みたいに、変な責任者は、潰れる学校になるかもしれない。